最近、MPEG2DecPlusというプロジェクトを始めました。
MPEG2DecPlus
事の起こりはavs2pipemodのgithubのissue trackerにmaki_rxrz氏からtypoの指摘が来ていたことです。
で、typo自体はすぐ直したのですが(バイナリはリリースしてないけど)、ついでにちょっと覗いてみたmaki氏のDGMPGDecレポジトリ(国内放送TS向け修正版)に興味が出たのですね。
「そういや64bit用のDGDecodeって、けっこう昔にJossyD氏がビルドしたやつしかないんだっけ」とか思いながら試しにビルドしてみたら、32bit用バイナリでも結構大変な目にあいました。
まずコードにいくつかNASM用のアセンブラが入っているため、VisualStudioだけではビルドできない。
さらにMASM用のアセンブラもVC6のころのMASM用に書かれているため、古いMASMを拾ってくる必要があるというものでした(数日後には最新のMASMに合わせたコードに書き換える修正が入りましたが)。
ものがMPEG2デコーダだけにソフトウェア特許絡みで面倒そうなためか、maki氏はバイナリは配布していません。
でも自ビルドするにはいささか敷居が高そうだし(もし5年前の自分だったら15分ほどでほっぽりだしてます)、こりゃ何とかしといたほうがよさそうだなぁとか思ったわけです。
で、やったことは
・アセンブラ(MASM、NASM、インラインASM)を削除(x87FPU用のASMなんて読みたくないし、MMX、MMX2、3DNow!とかもいい加減古すぎ)
・削除したASMの替わりにintrinsic(最低ラインはSSSE3以上を目安)で書き直し
・VFAPI用コードの削除(AviUtlやTMPGEnc2.5はこれなしでもavs読めるし、もういらんでしょ)
・YV16、YV24出力対応(YUY2やRGB24で出力するのはavs2.6以降ではデメリットしかない)
・MPEG2Source以外のフィルタの書き直し
といったところです。
さてここで一番問題になるのがMPEG2Sourceのポストプロセス処理(cpuとかcpu2とか)とBlindPPです。
なにが難しいのかといえば、これはTrbarry氏がメイン処理部分をすべてインラインアセンブラのみで書いていてCのコードを残していないため、なにをやっているのかさっぱりわからないからです。
DctFilterもそうでしたが、あの人のコードはいつも参考になりません。
とりあえず半日ほど格闘してみましたがどうにもCに書き直すだけでも大変そうで埒があかないので、諦めて全部捨てることにしました。
かくして64bitでビルドするための障害はすべて消え去ったので、ついに昨日、0.0.0としてファーストリリースについにこじつけることができました。
で、バイナリですが、JEEB氏が再配布してくれることになったため、右のほうのリンク先から入手できます。
現状、ソフトウェア特許を認めていないEU圏のフィンランド人がドイツだかフランスだかにあるサーバで配布してるので、特許料請求とかも関係なくって安心ですね。
まあ、その特許もあらかた切れてるらしいので日本やアメリカで配っても大丈夫なのかもしれないけど、本当に大丈夫なのか調べるのも面倒ですし…。
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