2010年3月25日木曜日

Ubuntu奮戦記 その1:香港映画の悪夢

ここ数日間Ubuntu9.10をいじっている。
慣れないことだらけで、やたら苦労している。

「一体俺は何でこんなことをしているのだろうか?」

苦闘の果て、昨日やっと一段落ついたような感触を得たので振り返ってみた。
えーと、なんだったかなぁ...
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すべての始まりは香港映画のDVDだった。

その日筆者は暇であった。
何もすることがないので、DVDを観ることにした。
20秒ほど本棚を眺め、手に取ったのはジャッキー・チェン監督/主演の「奇跡(miracle)」だった。
たしか数年前にTSUTAYAの安売りコーナーで500円くらいで買ったものである。
ドライブにディスクを突っ込んでMPCHCを起動した。
デコーダーはMS DTV-DVD Decoder、レンダラーはEVR-custom。
インターレース処理はビデオカードにおまかせ。
そして再生を開始すると…

DVDは4:3のレターボックスで収録されていた。
スクイーズでないことにまず腹が立った。
そして時々チラチラするような妙な違和感を覚えた。
訝しがりながらMPCHCの表示を見ると、60fpsで再生されていた。
Radeonのプルダウン検出が効いていない…だと…。
再生を中止し、調査を開始した。

DVDは60iで収録されていた。HD5870は間違っていなかった。
試しにYadif(mode=1)をかけた状態でコマ送りしてみると、同じフレームが1枚、2枚…そして前後のフレームが混ざりあったような残像のあるフレームが至るところに存在していた。
あきらかにPALソースをNTSCに無茶なやり方で変換したものである。
ひどい、ひどすぎる。
元々素材は24fpsなんだから、AssumeFPS(24000,1001,true)して、3:2プルダウンかければいいだけなのに、これを作った香港のオーサリング屋は、一旦PAL用に25p変換したものをブレンド処理して60iにしやがった。
ほんと映像業界って、どこの国でも…。
まあ最近はひどいDVDは少なくなったみたいだけど、かわりにひどいBDが増えているわけで。

こんなこと考える人間はあまりいない。
筆者も初めてこのDVDを観たときは、こんなことは少しも気にならなかった。
世の中、それで済んだほうがいいのである。
どうやらここ数年の経験は、あきらかに間違った方向に筆者を導いているらしい。
しかし、いまさらこの手の経験を‌リセットするのも無理である。
よせばいいのに、「修正してやる!」という気になってしまった。
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さて、PAL->NTSCによるブレンドの修正は次のような処理を行う。

MPEG2Source("video.d2v")
#最初に上下左右の黒べたをフィールドオーダーが狂わないようにしながらcrop
Crop(left,top,right,bottom)
#次に60i->25pの修正
#なんらかの方法でBob(60fps化)
Bob()
#そしてSRestoreをかける
SRestore()
#これでブレンドはほぼ除去され、60iは25PのPALに戻される。
#今回の場合は素材は劇場用映画なのだから、これをさらに24fpsにしてやる
Audio=NicAC3Source("audio.ac3")
AudioDub(last,Audio)
AssumeFPS(24,1,true)
ResumpleAudio(48000)
return last

問題はBobになにを使うかである。
まずavisynth内蔵のBobではガタガタで論外。
Yadif(mode=1)を使ってみたが、どうにも汚い。
Yadifmod+NNEDI2でも汚い。
結局MCBobが一番よかったので、これでいくことにした。
avsをVirtualDubにセットし、ULY0で中間出力開始。
終了までにかかる時間は、えーと…約17時間ですと!?

さすがMCBob、SD未満のサイズですらこれであるorz

かくしてメインPCは占領され、筆者は再び暇になってしまった。
しかたがないのでサブノートを引っ張り出した。
半年ぶりくらいに電源を入れた。
起動したOSは、バンドルのXPsp2だった。
Windows7にすっかり慣れてしまった現在では、どうにも使う気になれなかった。
どうしたものかとしばらく天井を眺めていたら、このスレッドのことを思い出した。
http://doom10.org/index.php?topic=180.0

次回に続く

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