動画のエンコード環境構築は、まず適切な再生環境を準備することから始まる。
適切な再生環境抜きでは、成果(エンコ後の動画)に対して評価を下すことが出来ない。
目的がiPhoneやPSP等向けの携帯動画なら実機を用意して再生確認をしなければならないし、ニコニコやzoomeへの投稿であるならば、投稿前の確認はFlashPlayerコンポーネントを使用するFLVPlayer(Flavie等)で行うべきである。
例えば「AviUtl+x264gui.auoでエンコードしています。投稿前にMPCで確認した時は大丈夫だったのに、ニコニコに投稿した動画はブラウザで見ると色が滲んで変に見えます。どうしてですか?」といった質問がたまにyoutube板のエンコードスレに来ることがある。
答えは「FlashPlayerはYUV420->RGB変換の際に色差情報の補間を一切行わないから」。
YUV420で圧縮された動画には、色差情報の不足のため、色が滲んでいたりエッジがギザギザになっているものがけっこうある。しかし、それではあんまりなので、一般的な再生環境はこれに補間処理を行って情報不足を目立たなくするようになっている。しかし、FlashPlayerは(おそらく処理量を低減し、少しでも再生を軽くするため)これをしない。言ってみれば安くあげるために手を抜いている。
このため、ある程度ニコニコ投稿経験をつんだAviUtlユーザーは、UVダウンサンプリングフィルタをYUV420-lanczos2(or lanczos3)で最後にかけることで対策を行う。これはある意味AviUtlの特徴であるYC48による高品質な処理を台無しにしてしまう行為になりかねないのだが、再生環境がFlashPlayerである場合はやむを得ないのである。
と、前置きがやたら長くなってしまったが、要はUbuntuで使うプレーヤーはどれにしようかというお話である。
結論から言えば、これは最初からmplayerに決まっていた。
#x264や#ffmpegにはたまに自分の環境で上手く再生できないと相談にやってくるLinuxユーザーやmacユーザーがいる。
「上手く再生できないんだけど、どうしたらええんかいな?」
「プレーヤーは何を使ってるんだ?」
「VLC(またはTotemとかQuickTimeとか)だよ」
「mplayer使えよ」
こういったやりとりが週に一度はあるような気がする。
特にVLCはデコード時に必要な参照フレームをすっ飛ばすために映像が崩壊するバグが数年間放置されており、また字幕周りもひどいということで甚だ評判が悪い。
Linuxならmplayerが一番と皆が口を揃えて言うのだから、やはりそれが正解なのだろう。
さて、さっそくmplayerを9.10にいれようと、synapticを開いて探してみたが…
「えーと、svn20090426…なにこれ?」
あらかじめ用意されているものは、たいへん古く、使い物にならないガラクタだった。
やはり、物事は簡単にはいかないものらしい。
次回に続く
0 件のコメント:
コメントを投稿