いや、なんか動画関連のコードをいじるモチベーションが特に理由もなく急速に衰えたので、別のことをやろうかと思いまして。
そういえば以前にも似たような感じで数年ほどネットから消えてたことがあったような…まあ、しばらくしたらまた何かしらフィルタ書いたりする気になるのではないかと思います。
さて、Might and Magicなんですが、1はX1版、2はPC98版をやったことがあるんですが、もう一度やりたくなったのですね。
スタークラフトは既に倒産して久しいうえに洋ゲーの移植なせいかProject Eggでも復活は無理そうだしどうしたものかと思ったのですが、探してみたらDOS版なら今でも買えることが分かったので(しかも1~6のセットで10USドル…安い)、もう英語でもいいやとすぐに購入しました。
で、今回は1のお話。
Might and Magic Book One - Secret of The Inner Sanctum(以下MM1)は1986年のクリスマスセールの頃に発売された栄光のシリーズ第1作。
作者のJon Van Caneghem(ジョン・ヴァン・キャネガン)はUCLAの学生だった20歳のときにNew World Computing,inc.を立ち上げ、それから3年かけてほぼ一人でこのゲームを作り上げました。
なんでも「やっとできたぜさあ売るぞ」と思ったが引受先が見つからなかったので、Activision社が手を上げるまでの数か月はパブリッシャーも自分でやる羽目になり、NWCのオフィス(兼ヴァン・キャネガンの自宅のアパート)にかかってきた800本余りの電話(注文やユーザーサポート)の応対をしたとか。
最初はApple][版しかなかったこのゲームはその後徐々に売れ出してコモドール64やIBM-PC/AT互換機(MS-DOS)等にも移植されます。
はたまた、まだそんなに売れてない頃にいきなり日本から押しかけてきたスタークラフトの社長と契約したので、1987年末には日本製PC版(以下スタクラ版)も発売されるなんてことも起こりました。
こうしてMM1は世界中に広まり、ヴァン・キャネガンはゲームクリエイターとしての確固たる地位を築いたわけです……が……2016年現在にやってみると、ほんとつらいわこのゲーム。
つらい理由その1:グラフィック
モンスターの絵なんかはヴァン・キャネガンが自分で書いたにしては結構雰囲気出てるなぁとは思うんですが、色数も少なく、なにより画面が暗すぎる。
あと戦闘中はテキストしか表示されないので非常に寂しい。
自分はスタクラ版の見た目が結構好きだったので、余計にそう感じるのかもしれません。
つらい理由その2:経験値稼ぎ
DOS版MM1はスタクラ版に比べると、実はちょっと優しくなっています。
たとえばスタクラ版では最初はどのキャラも棍棒1本持ってるだけの無一文で、ある程度の装備を揃えるまでが非常にきつい(慣れれば実はそれほどでもないんだけど)のですが、DOS版はデフォルトキャラのCRAG THE HACKが200GOLD所持しています。
この違いが生まれた理由は、スタークラフトが移植に当たって参考にしたのは初期のApple//版であるのに対し、DOS版は発売後しばらくしてからヴァン・キャネガンが手を加えたバージョンを移植したものだからでしょう。
"M&M is also one of the most difficult games in which to get started, particularly if you have one of the earlier versions. In those, your party starts out with no money, no armor, and only clubs for weapons. This does not make for a very effective fighting force, especially when monsters show up in large groups. Characters die with appalling frequency under those circumstances.
Fortunately, by the time you read this, the newer version of the game should be out. In that one, the pre-created party that comes on disk will have some money with them, and you can mug 'em to equip your own characters a bit more decently. That, of course, is no guarantee they will survive, but at least their chances will have improved slightly."
(Computer Gaming World 1987年4月号より)
多分、発売後に押し寄せた800件の電話のうちの結構な割合が「ゲーム開始後すぐに全滅する」とかの苦情で、ヴァン・キャネガンもさすがに自分がやり過ぎたことに気づいた(もしくは電話をこれ以上受けるのが嫌になった)のではないかと思われます。
これ以外にもDOS版は若干優しくなっているところがいくつかあります。
例えばコーラック(ソーピガル地下)->アガール(エルキューン)->テルゴラン(ダスク)のスクロール運搬は、スタクラ版(&Apple//初期版)では1セットあたり500GOLD+経験値1人1500ptだったのが、DOS版では1500GOLD+経験値1人3500ptに増えています(ちなみにこれがDOS版におけるもっとも効率の良い稼ぎ)。
まあ、スタクラ版はスタクラ版でバグ(PIRATES MAPが一度にたくさんもらえるとか、木登りクエストはどれか1本登るだけでOKとか)がある分、Apple//初期版よりはラクなんですが。
でもやはりきついのですね。
ハードは80186のTandy2000とかではなくi7上のDOSBoxなので1セット2分程度しかかからないのですが、それでも何百回も繰り返すとなるとさすがに御免被りたい。
でも繰り返さないとなかなかゲームは進まない……だってこのゲーム、DOS版でもモンスターとエンカウントしちゃうと逃げるのはまず無理なんだもの……orz
そしてチートに走る
昔は自分もこの程度では音を上げたりせず嬉々としてやりこんだものですが、さすがに年なのか気力がさっぱりわきません(つーか昔の俺は色々頭がおかしかったのでは)。
MM1といえば有名なセーブデータを2つ用意する所持金&アイテム増殖チートもありますが、あれは昔やったしねぇ……。
で、どーしたもんかと思いつつ試しにセーブデータ(ROSTER.DTA)をバイナリエディタで弄ってみたところ、どうやらこのゲーム、データ改変チェック等は一切行っていないようなので(まあ、スタンドアローンのゲームでそんな手間かけても意味ないとも思いますが)、こんなツールを作りました。
mm1cheat
データ解析しながらあれこれやってたら結局一日潰れましたが、(主にコード書くのが)楽しかったので、これはこれで元は十分に取れた(10USドルの6分の1だから190円くらい?)と思います。
あ、まだ一度もやったことのない人はこんなの使ったらダメですよ。
ファミコン版はバランス調整も結構いい感じになってるらしいので、未経験の方はそちらをやることをお勧めいたします。